作者別: bendahara

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日本インドネシア学会第39回研究大会 報告要旨

第1日  11月8日(土)

自由研究発表

【発表1】

 氏名  Totok Suhardiyanto(慶應義塾大学)
 テーマ  Kamus Elektronik sebagai Penunjang Pembelajaran Bahasa Indonesia: Pemanfaatan Stemming untuk Meningkatkan Kemudahan Penggunaan Kamus Elektronik
 要旨  Dalam proses belajar bahasa asing, peran kamus, baik monolingual maupun bilingual, sangat penting. Pada era internet seperti sekarang, kamus berbasis web yang bisa diakses kapan dan di mana saja tentu saja menjadi keuntungan tersendiri bagi pelajar bahasa asing. Kini banyak situs web yang menyediakan layanan kamus dalam jaringan (online). Beberapa yang penting adalah KEBI, Kamus net dan KBBI daring. Namun, bagi pemelajar bahasa asing, keberadaan kamus web ternyata tidak selamanya dapat membantu menemukan jawaban atas pertanyaan mereka. Misalnya, untuk dapat mengakses KBBI daring, pengguna harus mengetahui bentuk dasar kosakata Indonesia. Oleh karena itu, makalah ini mencoba menemukan cara atau sistem untuk meningkatkan kemudahan bagi pengguna sehingga mereka tidak harus mengenal lebih dahulu bentuk dasar kata bahasa Indonesia yang ingin dicarinya.

【発表2】

 氏名  安田和彦(京都産業大学)
 テーマ  インドネシアのテレビ録画映像の活用について
 要旨  本発表は、授業におけるインドネシアのテレビ録画映像の教材としての活用について、実践例を報告し、それを受けて議論を進めたいと考えるものである。
まず、以下の4点について報告する。
1. テレビ録画映像を素材とする教材作成方法
2. テレビ録画映像を教材として活用している授業の概要
3. それぞれの授業におけるテレビ録画映像の使用目的
4. それぞれの授業における受講生の学習状況
そして、以上の報告を受けて、教材の改善、さらに有効な活用法等について議論することとしたい。

【発表3】

 氏名  Suhandano(東京外国語大学)
 テーマ  Preposisi dan Afiks pada Verba dalam Bahasa Indonesia
 要旨  Tulisan ini membahas preposisi dan afiks pada verba sebagai penanda peran semantis unsur nomina dalam kalimat bahasa Indonesia. Dikemukakan bahwa dalam bahasa Indonesia preposisi dan afiks pada verba dapat menandai peran semantis yang sama. Preposisi di dan imbuhan meN-i, misalnya, dapat menandai peran semantis lokatif, sedangkan preposisi untuk dan imbuhan meN-kan dapat menandai peran semantis benefaktif. Keadaan ini menyebabkan munculnya dua kalimat dengan struktur yang berbeda, tetapi memiliki makna dasar yang relatif sama seperti kalimat: Dia duduk di kursi itu dan Dia menduduki kursi itu. Dalam kalimat pertama peran semantis lokatif yang disandang oleh nomina kursi itu ditandai oleh preposisi di, sedang dalam kalimat kedua peran semantis tersebut ditandai oleh imbuhan meN-i yang melekat pada verbanya.  Dalam kaitannya dengan pengajaran bahasa Indonesia bagi penutur asing, masalah tersebut kadang-kadang menimbulkan kesulitan. Para pembelajar bahasa sering bertanya mengapa ada dua bentuk seperti itu, sementara para guru mengalami kesulitan bagaimana cara mengajarkannya.

 

第2日  11月9日(日)

【発表1】

氏名  末延俊生(拓殖大学)
 テーマ  Pelesapan Preposisi pada Konstruksi Frasa Preposisional Lokatif dan Temporal dalam Bahasa Indonesia
 要旨  Penelitian ini membahas jenis dan terjadinya pelesapan preposisi dalam frasa preposisional lokatif dan temporal bahasa Indonesia. Ada beberapa kesamaan terjadinya pelesapan preposisi lokatif dan temporal dalam konstruksi frasa preposisional. Meskipun preposisi temporal dianggap sebagai perluasan makna metaforis dari preposisi lokatif, ternyata preposisi yang dapat dilesapkan dalam konstruksi frasa preposisional lokatif dan temporal tidaklah sama.

【発表2】

 氏名  長南一豪(獨協大学 外国語学研究科(英語学専攻) 博士課程)
 テーマ  インドネシア語心理動詞のカスケード構造
 要旨  心理動詞はさまざまな言語で複雑なふるまいを示し、Baker (1988)のUTAH(主題役割付与一様性仮説)に対する深刻な問題となる。たとえばインドネシア語の動詞mengkhawatirkanは、「~を心配する」と「~を心配させる」という一見すると正反対の2つの用法を持つ。本発表では、インドネシア語の心理動詞についてPesetsky (1995)のカスケード構造による分析を提案し、使役や場所格、受益者などを含む動詞接辞me-kan, me-iに関する統一的説明の可能性を論じる。

【発表3】

 氏名  吉久晶子(南山大学 国際地域文化研究科 国際地域文化専攻)
 テーマ  小説『ラウマネン(Raumanen)』に見る近代インドネシアの国家、民族、神の位置
 要旨  インドネシア人作家マリアンヌ・カトッポ (Marianne Katoppo) による小説『ラウマネン(Raumanen)』は、1960年代前半のインドネシア社会を背景にした作品である。この作品に関するこれまでの批評及び解釈は、フェミニズムやポピュラー小説の視点からのものが主であった。しかし、作品内に描かれる出来事は、登場人物の国家と民族に対する意識の相違や、神に対する意識との関連において展開していると考えられる。このことから、この作品を国家、民族、神についての位置付けが表われた作品として捉えなおし、読み解くことを目指す。

【発表4】

 氏名  Edy Priyono(京都産業大学)
 テーマ  Sebuah Tinjauan tentang Singkatan di Majalah Bisnis Jepang dan Indonesia
インドネシアと日本のビジネス雑誌に現れる略語の一分析
 要旨  インドネシアと日本のビジネス雑誌に頻出する略語を比較、分析する。どのような略語が共通しているか、あるいは異なっているかを比較することによって、両国のビジネスの傾向を読み解く。

以上

日本インドネシア学会第39回研究大会プログラム

日時: 2008年11月8日(土)、9日(日)

会場: 東京外国語大学 留学生日本語教育センター さくらホール

アクセス・ガイド: http://www.tufs.ac.jp/access/

(最寄り駅 西武多摩川線多磨駅または京王線飛田給駅)

キャンパス・マップ: http://www.tufs.ac.jp/abouttufs/campusmap.html

(キャンパス・マップの[9]が留学生日本語教育センターです)

第1日、2日の報告要旨

: 第39回研究大会 報告要旨

第1日  11月8日(土)

13:00          開会挨拶  左藤正範会長

13:05~13:10      テーマ発表 「インドネシア語教育の実践」

趣旨説明・司会進行 青山亨(東京外国語大学)

13:10~13:40      発表1
Totok Suhardiyanto(慶応義塾大学)
Kamus Elektronik sebagai Penunjang Pembelajaran Bahasa Indonesia: Pemanfaatan Stemming untuk Meningkatkan Kemudahan Penggunaan Kamus Elektronik

司会進行:舟田京子

13:45~14:25      発表2

安田和彦(京都産業大学)

インドネシアのテレビ録画映像の活用について

司会進行:大形里美

14:25~14:40      休憩

14:40~15:20      発表3
Suhandano(東京外国語大学)
Preposisi dan Afiks pada Verba dalam Bahasa Indonesia

司会進行:降幡正志

15:25~16:25     総合討論

16:30~17:30     総会

18:00          懇親会

場所:東京外国語大学特別食堂.懇親会費3000円

第2日  11月9日(日)

9:00           開場

自由研究発表

9:30~10:00      発表1
末延俊生(拓殖大学)
“Pelesapan Preposisi pada Konstruksi Frasa Preposisional Lokatif dan Temporal dalam Bahasa Indonesia”

司会進行:原真由子

10:00~10:30      発表2

長南一豪(獨協大学)
「インドネシア語心理動詞のカスケード構造」

司会進行:正保勇

10:30~10:45      休憩

10:45~11:15      発表3
吉久晶子(南山大学)
小説『ラウマネン(Raumanen)』に見る近代インドネシアの国家、民族、神の位置

司会進行:山本春樹

11:15~11:45      発表4
Edy Priyono(京都産業大学)
“Sebuah Tinjauan tentang Singkatan di Majalah Bisnis Jepang dan Indonesia”

司会進行:Henri Daros

11:45           閉会挨拶 左藤正範(学会会長)

以上

 

40abstract

日本インドネシア学会第40回研究大会 報告要旨


第1日  11月28日(土)

テーマ発表

【発表1】

 氏名  塩原朝子(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
 テーマ  「東部インドネシアの言語状況 —地方語の光と影—」
 要旨   本発表では、東部インドネシアの二つの地域、スンバワ(NTB)とアロール(NTT)における言語状況を概観する。これらの地域では、ポストスハルト期の動きとして東ジャワ州やバリ州にみられるような「地方語振興運動」はほとんど見られない。これは、スンバワでは、スンバワ語が唯一の優勢な地方語として安泰であるため、話者コミュニティの側に危機感が存在せず、その一方で、教育の言語(栄達の手段)としての「インドネシア語」を重視する傾向が強いためであり、アロールでは、自身の言語使用について客観的に捉えて評価する、いわば「近代的視点」とでも言うようなものがほとんど存在しないためであると考えられる。

【発表2】

 氏名  津田浩司(日本学術振興会特別研究員PD)
 テーマ  「ポスト・スハルト期インドネシアにおける華人と中国語 —地方都市における中国語学習ブームを手がかりに—」
 要旨  ポスト・スハルト期のインドネシアでは、華人系住民に対し抑圧的だった施策のいくつかが見直され、またいわゆる「中国文化」も開放された。こうした環境の中、少なからぬ華人が中国語(北京官話)学習をするという現象が見られるようになっている。本発表では、インドネシアの地で数世代を経て最早中国語をしゃべれなくなったような華人たちが、今再び中国語に目を向け始めていることが如何なる現象なのかについて、2006年半ばにジャワの一地方小都市で起きた中国語学習ブームを例に採り分析する。

【発表3】

 氏名  内海敦子(明星大学日本文化学部)
 テーマ  「北スラウェシ州における多言語状態とマナド方言の威信と活力」
 要旨  スラウェシ島の北スラウェシ州(Propinsi Sulawesi Utara)には、11の少数民族言語が存在すると報告されている(Noorduyn 1991他)。これらは話者数がそれぞれ1万人から3,4万人とされているが、インドネシア国語政策により若い世代が用いなくなり、消滅の危機にあり最後の流暢な話者は四十代後半から六十代である。それ以下の世代が日常で用いるのはインドネシア語マナド方言(Bahasa Manado)である。マナド方言は北スラウェシ州を中心とする経済通商圏に広がり、西隣のゴロンタロ州でも用いられているとの報告がある。本発表ではこの地域の少数民族の一つバンティック語話者の世代による言語使用領域の変化と、地域共通語として機能するマナド方言の活力と威信について論じる。

【発表4】

氏名  北村由美(京都大学東南アジア研究所)
 テーマ  「ジャカルタの「言語景観」にみられる中国語使用と華人」
 要旨  ポスト・スハルト期のインドネシアにおいて目に見える変化の一つに、中国語使用の拡大があげられる。その背景としては、中国語をふくめた中国的な文化に関する規制の廃止と、中国の国際社会におけるプレゼンスの上昇による中国語人気がある。では、街で見られる中国語は誰がどのような内容を発信しているのだろうか。本発表は、ジャカルタの商業地域における「言語景観」の分析から、中国語使用の歴史的背景と現状を分析する。

第2日  11月29日(日)

自由研究発表

【発表1】

 氏名  Edy Priyono(Universitas Kyoto Sangyo) / エディ・プリヨノ(京都産業大学外国語学部)
 テーマ  Meninjau Tren Baru lewat Singkatan Asing Kontemporer di Media Cetak Indonesia dan Jepang
(インドネシアと日本の印刷メディアにおける最近の外国語略語にみる新しい時代の潮流)
 要旨  インドネシアと日本で異なる略語からはそれぞれの社会状況、異なる考え方を読み取ることができる。たとえば、ES/employee satisfaction (従業員満足)は日本の、BTL/below the line (マスメディアを使わない宣伝)はインドネシアのリストにしかない。日本では新技術を表す略語が多く、インドネシアでは携帯電話やインターネットに関連する略語が多い。一方、SE/social entrepreneur (社会的企業家)、SRI/socially responsible investment (社会的責任投資)といった略語からは共通する世界的潮流が見て取れる。

【発表2】

 氏名  スリ・ブディ・レスタリ(東京外国語大学博士後期課程)
 テーマ  現代ジャワ語の敬語使用に関する調査報告—ジョグジャカルタ市の学生および社会人を対象にした調査—
 要旨  本発表では昨年11月に行った調査(第1次調査)、その結果を補うために2009年9月-10月に行う調査(第2次調査)の結果を報告する。第1次調査のアンケートでは、若年層(高校生・大学生)と既婚男性(40-50歳代)の敬語使用には相対敬語的な特徴があることを明らかにした。第2次調査では、敬語の使用の他に、ジャワ語の能力、使用意識などの設問も設けており、近年ジャワ語の社会言語学的な状況を明らかにすることを目的とする。アンケート、インタビューの他に、授業見学なども行い、敬語使用の背景にある様々な要因を観察・記録し、その結果を報告する。インドネシア語の普及でジャワ語の使用が圧迫され、敬語の難易度が高いことなどで、敬語使用のみならず、ジャワ語の使用自体が深刻な状態にあることについても考察を行う。

【発表3】

 氏名  安田和彦(京都産業大学外国語学部)
 テーマ  「supaya/agarに導かれる節について」
 要旨  本発表は、supaya/agarに導かれる節の用例の中から、supaya/agarに導かれる節が動詞句の補文として用いられているものを取り上げ、その統語構造、特に動詞+目的語+supaya/agarという語順と動詞+supaya/agarという語順の相関関係、そしてsupaya/agarに導かれる節の主語の代名詞化に関わる要因を談話・機能文的観点から考察する。

【発表4】

 氏名  長南一豪(獨協大学 外国語学研究科(英語学専攻) 博士後期課程)
 テーマ  「完了性をあらわす動詞接辞-kan」
 要旨  mengikatkan「縛りつける」における-kanの機能について、従来は「道具」とされてきたが、Son and Cole(2008)はこれを「着点前置詞句構文」と呼び、-kanは「道具」ではなく「結果」をあらわすと主張している。本発表では、彼らの記述的な問題点を指摘し、代案として-kanは「完了性」をあらわす出来事限定詞であることを提案し、使役・受益者などの-kanと同一の構造を持っていることを示す。

【発表5】

 氏名  高地薫(愛知県立大学非常勤講師, ガジャマダ大学日本研究センター研究員)
 テーマ  「9月30日事件を巡る文学と歴史」
 要旨 1965年の9月30日事件をテーマあるいは背景とした文学作品は事件直後の1960年代末から現在まで数多く生み出されてきた。1998年のレフォルマシ以降はスハルト体制で政治犯とされてきた作家が自らの体験に基いた作品を、2006年以降はより若い世代がこれまでの作品とは違う切り口の小説を発表している。本発表では、これらを個々の特徴と時代背景に留意しつつ概観し、文学が国民的トラウマとなった事件とどのように格闘してきたかを論ずる。

以上